事業再生コンサルタントからみた倒産のリアル

事業が倒産しかけるときに、事業再生コンサルタントが最前線に登場する。

事業再生コンサルタントの目から見た企業、経営者はどのように映るのか。

今回の経営のヒントは「2020/8/31 倒産のリアル  (著)山崎誠」です。

リアルな再建のやりとり、会社を潰す社長の特徴を学びましょう\(゜ロ\)(/ロ゜)/ 

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社長は相談したくない

企業経営が行き詰まるとき社長は、なかなか他者に相談しにくい。

自分の経営の結果、会社が倒産しかけるのだから、自身の経営の失敗ということをやはり認めたくない。

しかし早くにコンサルタントや士業、銀行、取引先に相談することが企業を存続するためには良い方向に向かう可能性が高くなるかもしれない。

経営者の心理的な抵抗は結構強い。初回相談のときに相談者から「電話をかけるまでに半年迷っていました」と言われたことがある。

本書よりP49

経営に行き詰った相談をするのだから、それは「自分の経営に問題がありました」と認めるに等しい。社長という人種は総じてプライドが高く誤りは認めたがらない。

本書よりP49

社長のプライド、誰かに迷惑をかけたくない責任感、そして思考停止状態になる・・・(;´Д`)

再生の現場ではどんなに追い詰められても「できることをやっていく」動きを止めてはならない。動きが止まると心も止まる。実際に破たんに進むずっと手前で再生は終わりになってしまうのだ。

本書よりP72

事業再生の現場に入ると様々なことが起こるようです。

粉飾決算をした場合には、その後の再生も厳しい。

私は粉飾決算から脱出できた企業を見たことがない。粉飾決算から自力で抜け出すには、➀利益の回復、➁回復した利益で過去の粉飾の跡を消していく工程が必要になる。粉飾を行うのと逆の手順を行うわけだ。

~略~1~2年で出した5,000万円の赤字を、年500万円の黒字で10年をかけて埋め合わせるイメージになるはずだ。

本書よりP87

粉飾により、にっちもさっちもいかなくなり、金融機関に粉飾がわかればその後の対応も大変だ。

銀行には「期限の利益喪失」という、契約条件もあります。

その中に、「(銀行に)提出する財務状況を示す書類に重大な虚偽の内容がある等の事由が生じたとき」の一項がある。つまり、契約上は粉飾を理由に銀行側から取引を打ち切ることも可能なのだ。この条項は2012年の約定書のひな型改定の際に加えれた。

本書よりP92

粉飾が契約条件違反なれば全額返済下さい、ということもある(;´Д`)

中小企業の場合には決算書を作るのは、ほとんどが税理士なので金融機関は目を向けています。

金融機関としても粉飾決算に税理士の関与があったか?は一大関心事である。先に書いたように、粉飾することで悪意を持って融資資金をだまし取ったとみなされとき、そこに税理士が絡んでいたかどうかで金融機関の追求も変わってくる。

本書よりP98

架空売上、架空在庫等の計上は仕訳一つで可能なので決算書を作る税理士の仕事の倫理観は大事です(;´Д`)

最近よくYouTubeで見る財務コンサルタントの喜創産業の山本会長の言葉が印象です。企業が赤字になったとき、赤字の理由がきちんと判明し、それに対する対応策が重要だということ。なるほどですΣ(・ω・ノ)ノ!

粉飾後には金融機関への丁寧な説明、その後には「経営改善計画」の作成があります。中小企業の経営者だけでは作成が厳しいので専門家の知見を借りて企業が利益を出るようなアクションプランの策定が必要です。銀行へのリスケが最大の関心です。

他責思考や外部環境、内部環境のせいにばかりする社長には再生など出来るわけがないという(;´Д`)

再生するときには社長は仕事にも集中しなければならない。その時に家族の支えが必須になる。

再生には家族の支えが必須になる。仕事に集中すればするほど家族との絆はどうしても後回しになりがちだ。社長である夫が仕事に没頭している間、家族や育児は妻に丸投げとなる。そのような状況で再生に入っていくことを想像していみて欲しい。その時、あなたは家族から支えを受けられるだろうか。

本書よりP117

改めて分かることは企業経営は難しいのでる。起業しても10年以内に1割しか残らないと言われています。

ましてや経営を習うことがない経営者は多い。やはり勉強をして情報を集めて計画をたて行動する経営者になれば倒産する確率は低くなる。生存戦略のため頭を使わなければならない。

会社を潰す社長の特徴

企業経営は難しい。

しかし会社を潰さない経営者には特徴があります。

その特徴を見ていきましょう。

➀言語を鍛えている

➁数字に強い

➂神社に行く

➃情報収集が早く正確

➄バランスが良い

➅運動習慣がある

本書よりP166

これは、本当にその通りだと思いますΣ(・ω・ノ)ノ!

以前にブログにも書きました。経営者は言葉と数字を使いこなさなければいけません。

言葉を武器としろ! | 岩﨑税理士事務所 (tax-iwasaki.jp)

数値で語る鬼となれ! | 岩﨑税理士事務所 (tax-iwasaki.jp)

そして会社を潰す社長は下記の通りです。

➀経営オンチ

➁人の話を聞かない

➂逃げ水タイプ

➃猫タイプ

本書よりP178~184

会社を倒産させないように、倒産確率を下げるために社長の自己認識力(自分で出来ること、出来ないこと等)は理解しましょう!

あとがき

事業再生コンサルタントの先生から見た生の現場。

倒産の予兆は、少しずつ起こっていることが分かります。

勉強は大事だ・・・(;゚Д゚)

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