成長する企業、衰退する企業は企業文化が原因するのか?
企業には、現状を好む企業とイノベーションを好む企業があります。
前者は変化を望まない企業で後者は変化を受け入れる企業です。
企業体質は経営者・幹部、そして企業文化の影響を受けます。
変化を受けれるのが大事か、守るのが大事か・・・経営者にとっては悩みどころです。
今回の経営のヒントは「2018/5/11 “社風”の正体 (著)植村 修一」です。
どうしてこうなってしまったんだろう??そんなヒントが満載の本書を読み勉強致しましょう~\(゜ロ\)(/ロ゜)/
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2023/8/1 組織文化に影響を与えるのはだれ? | 岩﨑税理士事務所 (tax-iwasaki.jp)
両利きの文化
1980年代アメリカでは、日本の企業がなぜこんなに発展しているのか?という疑問で日本企業のリサーチが活発になります。
ジャパン・アズ・ナンバーワンでもそうですが、バブル崩壊前の日本はアメリカに次ぐ経済大国でした。日本の土地をすべて売ればアメリカ全土をすべて買えるという世界観でした・・・ホンマカイナ( ゚Д゚)
パソコン売上大手で名をはせたヒューレットパッカード(HP)。「エクセレントカンパニー」や「ビジョナリーカンパニー」の本でも紹介されていた超優良企業。従業員の自主性を尊重すれば画期的な商品が生まれる、フレックス制の導入や、役員でもファースト・ネームで呼ぶ文化が取り上げられました。
しかしIT業界の激しい時代の変化の中、業績が頭打ちになるとCEOに就任したカーリー・フィオリーナにより更なる混迷へと続きます。「ビジョナリーカンパニー➂ 衰退の五段階」でも紹介されています。
ビジョナリーカンパニー③ 衰退の五段階 | 岩﨑税理士事務所 (tax-iwasaki.jp)
衰退の五段階
第一段階 成果から生まれる傲慢
ビジョナリーカンパニー➂ 衰退の五段階 参照
第二段階 規律なき拡大
第三段階 リスクと問題の否認
第四段階 一発逆転策の追究
第五段階 屈服と凡庸な企業への転落か消滅
HPも栄光からの挫折か、企業文化が時の経過により変化を起こしたのは確かです。
しかし、企業文化が企業の経営成績と因果関係にあるのか、結果としての相関関係なのか厳密な区分は難しいと本書より。
1990年代の日本企業の経営の素晴らしさは、バブル崩壊とともに失われた時代へと突入します。
1990年代末にハーバード・ビジネススクールのクレイトン・クリステンセンが唱えた説で、「偉大な企業はすべてを正しく行うが故に失敗する」というメッセージが衝撃的でした。
本書よりP56
まじめな企業は自社の商品・サービスをさらに深化させます。しかし、破壊的イノベーション(新しい技術)が起こった時には自社の商品やサービスがまったく市場から必要とされなくなる時があります。
ここ数十年のインパクトはまさに「インターネット」です。ネットによるビジネスモデルにより旧来のビジネスが消滅したのは過言ではありません。
現在の知識と、新しい知識をどう手に入れるかが求められます。
~略~「知の探究」(知識の範囲を広げること)と「知の深化」(すでに持っている知識の改良)をともに行う、「両利きの経営」が必要であることが、イノベーション研究において重視されていることを紹介します。
本書よりP56、57
コロナの影響によりすべての産業が影響を受けました。今までの売り方とちがうアプローチが必要でした。
ここで工夫できた企業は、もともと既存の知識だけではなく「知の探究」を追求し新しいビジネスモデルを探していた違いはありますねΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)
~略~一人ひとりがつねに両利きの経営を意識するような、「両利きの企業文化」を作ることが可能ではないかと唱えています。(入山教授)
本書よりP57
これにより、(ヤマト宅急便のスキー宅急便というサービスのこと)現場の意見を生かして顧客志向のサービスをつくる企業文化を維持することが狙いとされています。
本書よりP57
アメリカの3Mという会社は仕事の時間の15%を自分が研究したいことに使っていいという。(商品・サービスになること)
Googleも仕事の2割の時間を使って自由に研究をしていいという。
自由と責任、義務は紙一重ですが、そこには大きな「イノベーション」という可能性が秘めているのは確かです( ゚Д゚)
同族会社は有利か?
企業文化を守る、または影響を与えるということで創業家出身ということは一種のカリスマにはなり得ます。
先日、社長を退任した豊田章夫会長はまさにその通りです。
逆も真なりのビッグモーターや大王製紙といった創業者出身ということもありますΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)
中小企業では、ほとんどが同族での事業承継になります。
その際、家族や親族を中心に引き受けてを探すのは、コストの面からも心情的にも理に適っているといえます。
本書よりP63
同族出身ならば企業文化を承継しやすいのもあるでしょうね(*^^)v
一般的には、同族経営には、①長期的な視点で経営ができる一方で、すばやい判断ができ、とくに世代交代などの際には大胆な経営改革ができる、②後継者は先代の背中をみているので、ノウハウや思想の承継がしやすい、➂社員からみても経営者の交代に納得性が得られやすい、などの利点が指摘されています。
本書よりP65
中でも②や➂については、社員にとっての企業存続に向けた安心感や信頼感が、ロイヤルティに向上につながる可能性が考えられます。
本書よりP65
最近では第三者承継やM&Aが流行っています。中小企業に跡取りがいないため、あらゆる施策で世の中に必要とされる会社は守る必要があると理解されています。
企業買収後の統合プロセスは、なかなか大変ですね( ゚Д゚)
キリンとサントリーの合併も幻の経営統合ですね。
あとがき
企業経営にも変化があるように企業文化にもやはり変化を取り入れないといけません。
1300年続く伝統産業の金剛組。最盛期には寺社仏閣以外のマンションやビルの建築にも手を出したが最終的には、本来の強みである寺社仏閣の修繕・補修事業に回帰しました。
残すものは残し、捨てるものは捨てる。重要ですね。
次回へ続く~!