リーダーになる④~未来のためにできること~
リーダーとなる人は自分の考えや行動で仲間をひきつける力が必要になります。
それは、現場で同時に学んでいくこと。
リーダーの概念が変わる今回の経営のヒントは「2008/6/24 リーダーになる[増補改訂版] (著)ウォレン・ベニス, (翻訳)伊東奈美子」です。
リーダーになる[増補改訂版] | ウォレン・ベニス, 伊東奈美子 |本 | 通販 | Amazon
前回までの記事
リーダーになる①~成人しても学び続けること~ | 岩﨑税理士事務所 (tax-iwasaki.jp)
リーダーになる②~自分を知る~ | 岩﨑税理士事務所 (tax-iwasaki.jp)
リーダーになる➂~自分を広げる~ | 岩﨑税理士事務所 (tax-iwasaki.jp)
新しいことに挑戦するリーダー
前回でもリーダーには左脳と右脳の両方を使う能力が必要であると本書は言っています。
やはり新しいことを創造するリーダーには、あらゆる能力が問われます。
リーダーは自分の哲学を組織に押しつけ(この言葉のもっともよい意味でだ)、組織文化を作りあげる。あるいは、つくり変える。組織はリーダーの哲学に従って行動し、そのミッションを遂行する。やがて組織文化はひとり歩きを始め、「結果」ではなく「原因」になる。
本書よりP220
リーダーが成長をやめれば組織は衰退します。
いいかえれば、経験を糧に現場で成長する力こそ、リーダーの重要な才能なのだ。
本書よりP220
リーダーは、リーダーシップを実践しながら学んでいく。
本書よりP221
「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」の時代に現在は入っています。(VUCAの時代)
いつの時代でも先行きは読めないですが・・・(;^_^A
それでも現代のリーダーに求められる資質を1817年に詩人のジョン・キーツが言っています。
真の偉業を達成するには「消極的な受容能力」が欠かせないと書いた。彼はこの能力を「不確かさ、謎、疑いのただ中にあっても、性急に事実や原因をとらえようとせず、その中にとどまっていることのできる能力」と説明している。
本書よりP224
リーダーはやっかない上司、悪い上司からも学ぶことは多い。
気の弱い上司は、上司を管理することを学ぶ必要があります。
ニューヨークの市長のジュリアーニは9.11を機に真のリーダーであることを世界に見せつけたと本書に書いてあります。
ロンドン大空襲のときのチャーチルもリーダーシップを呼び覚ました、とあります。
リーダーは経験を知恵に変えます。さらに経験には魔法も宿るという・・・( ゚Д゚)奇跡だ、、、
リーダーと言えばカリスマと思う人が多いと思うが、そうでもないようです。しかし、カリスマでないリーダーでも仕事仲間から信頼と忠誠を受けています。
彼らは、人を味方につける能力を使って組織の文化を変革し、ビジョンを実現していた。
本書よりP236
人たらしのリーダーシップ\(◎o◎)/!
すぐれたリーダーは、共感能力をそなえていることが多い。
本書よりP236
信頼を生み、それを維持するリーダーには、次の四つの要素がそなわっている。
①「一貫性」
②「現行一致」
③「頼りがい」
④「誠実さ」
本書よりP242
リーダーは人々を仲間につけなくてはいけません。要は一人ではできないのです。
すぐれたリーダーは、能力とビジョンと美徳をほぼ完璧なバランスでそなえている。ビジョンと美徳を伴わない能力や知識は、官僚を生み出す。ビジョンと知識を伴わない美徳は、空論家を生みだす。そして美徳と知識を伴わないビジョンは、扇動家を生みだす。
本書よりP245
使える上司が人間性ダメならもういやという人は多いはず・・・( ゚Д゚)
組織やリーダーは、いやおうなく人間の本性と向き合う。価値観、参加意識、信念、さらには情熱といったものが組織に欠かせないのはそのためだ。モノではなく人間を相手にする以上、価値観や参加や信念を伴わないリーダーシップは必ず非人間的で有害なものとなる。
本書よりP246
リーダーは、人間性を磨かなければ生きていけない。それは、リーダーを見る人たちがいるからだ"(-""-)"
リーダーが共感能力や信頼性をそなえているかどうかは、組織の倫理規定はもちろん、組織文化にも反映される。エンロンが企業腐敗の代名詞となるはるか前から、「職業倫理の欠如は、拝金主義を見逃すどころか促進してきたビジネス環境と関係がある」と指摘する研究結果があった。
本書よりP246
様々な業界・団体・ビジネスがあります。現在のコンプライアンスの高さ、TVやネットの報道で様々な「闇」の問題も暴かれていますね。真のリーダーがいる企業は本当に素晴らしいです\(◎o◎)/!
エンロンは本当に衝撃でしたね(笑)
ビジネス特有の短期的思考は、文化のあらゆる側面に影響をおよぼしていく。このような思考が現代社会を動かし、子どもたちに人生は勝つか負けるかだと信じこませようとしているのです。(中略)短期的思考こそ、現代社会の病理です」
本書よりP248
企業をとりまく利害関係者をステークホルダーという。すべての企業は市民としてあらゆるものと繋がっています。
昔のように株主だけに媚びを売る時代は終わりました。新しい資本主義とか言われていますが、まだまだです。
~略~自ら立ち上がって「『私は短期的思考とおさらばする』ということはできない。株主、つまりウォール街に対する義務があるからです。それが手かせ足かせとなって身動きがとれなくなっているのです。
本書よりP250
アパレルメーカーの「パタゴニア」を見てみましょう。購入者にパタゴニアの服は買わないで、と広告をうったぐらいに服を作るのにそれだけ自然の生態系が崩れるということを購入者に伝えたかったということ。こんな広告をうったら上場企業ならウォール街では即社長クビかな?しかし世の中は変わってきています。
言葉を使って人々をみちびき、信頼と共感によって啓発するリーダーは、人を味方につけること以外にも、多くのことを達成できる。
本書よりP250
組織の雰囲気を変えることはできます。それこそがリーダーの役割です。
組織文化の改革に取り組むとき、まずしなければならないのは、人々を味方につけ、自分が会社をどの方向に引っぱっていきたいのかを示すことです。信頼関係は不可欠です。思わせぶりな態度をとったり、隠しごとをしたりせず、真摯な態度で語りかけること。そうすれば、相手は信用してくれます。たとえ話しがへたでも自分の考えを正直に伝えようとすれば、相手はそれを認め、好意的に対応してくれるでしょう。
本書よりP252
ジョンソン&ジョンソンの社長は議論を巻き起こしたり反対意見も言う。それは社内の風通しがよくなり、多様性が増すとたくさんのリーダーが頭角をあらわすという、、、(;゚Д゚)
私が話をしたリーダーたちは、例外なく変化の重要性を認識していた。変化するのは人間化もしれないし、組織かもしれない。いずれにせよ、リーダーは変化を成長や進歩と同じものだと見なしている。実際、彼らのライフワークは変化だといっても過言ではない。
本書よりP254
変化の激しい時代にリーダー1人で定数(変更できない数値)を変えようとすることは馬鹿げている。リーダーと組織が一緒になって変数(変化できる数値)を変えることが重要なのです"(-""-)"
リーダーを助ける組織とリーダーになるための要因
変化する時代には、人も変化することが必要です。変化とは人を成長させ新しい能力を開花させることにあります。
変化の時代に世界を動かす5つの力は以下の通りです。
①テクノロジー
②地球規模の相互依存
③M&A
④規制の緩和と強化
➄人口統計と価値観
本書よりP259~264
いやー、ほんとテクノロジーの影響、コロナによる世界経済の分断、ロシアとウクライナ戦争、中東問題などなど世界はダイナミックに動いてます。中小企業のもろ影響はこれからか、、、(;^_^A
本書でも、やはり「最高の資源は人間である」と言っています。
1960年代、ロバート・タウンゼントは、因習を打破することでエイビス・レンタカーをよみがえらせた。彼は、管理職がビジネスの現場を知り、顧客の視点でものを見ることが重要だと考えていた。この信念にもとづいて、エイビスの管理職は定期的に同社の制服である赤いジャケットに身をつつみ、レンタカーの返却窓口に立つことを義務づけられた。
本書よりP277
配置転換もいろんな経験をつめるため重要ですね( ゚Д゚)
組織に属している人たちに、なぜこの組織に属しているのかを意味を見つけるように促すことは重要です。
企業のビジョンは、三つのレベルにあらわれる。ひとつ目は「戦略」レベル(組織にとっての最重要哲学)、二つ目は「戦術」レベル(その哲学をどう実践するか)、三つ目は「個人」レベル(その哲学が個々の従業員の行動にどうあらわれるか)だ。
本書よりP280
人生の大半を仕事に時間を投下する人々。企業やリーダーは意味を与えなければならない。報酬も大事だが社会に役立っていることも重要です。
誰もが燃え尽き症候群にかかる時代、「三つのR」を実践することが求められる。
すなわち「静養(Retreat)」、「再生(Renewal)」、「復帰(Return)」である。
本書よりP280
やはり仕事を根詰めてやると、いつかはやる気がなくなるということは体感した人は多いと思います。
長期休暇がとれるようにリーダーも組織も構築したいですね"(-""-)"
組織の構造が目標を決めるのではなく、組織の目標が構造を決める。また、組織は「階層社会」ではなく「コミュニティ」であるべきだ。組織は手段であって目的ではない。したがってメンバーには、試練と機会と報酬に加えて、自主性も与えなければならない。
組織の本文は、メンバーが自分の限界を取り払い、潜在能力を存分に発揮できるようにすることだ。メンバーの成長と発展に手を貸し、その機会を増やす方法を考えること。これこそが、組織の真のミッションであり、裏を返せば、今日の組織が直面している最大の試練である。
本書よりP282
リーダーは未来を創り、組織を創る。
変化に対処し、未来をつくり、学習する組織をつくるための「10の要因」は下記の通りです。
①リーダーは、夢を育てる
②リーダーは、ミスを抱擁する
③リーダーは、反省を促す反論を歓迎する
④リーダーは、意見の違いを歓迎する
➄リーダーは、「ノーベル賞要因」(楽天性、信念、希望)を持っている
⑥リーダーは、「ピグマリオン効果」を理解している
⑦リーダーは、「グレツキー要因」(ある種の「知覚」)を持っている
⑧リーダーは、長期的に考える
⑨リーダーはステークホルダーを平等に扱う
⑩リーダーは、戦略的提携やパートナーシップを生みだす
本書よりP287~300
さて、日本の企業の経営者では誰でしょうか。ソフトバンクの孫正義社長、ユニクロの柳井社長かなぁと思い出しますね( ゚Д゚)
次世代のリーダーは以下のものをそなえている。
・幅広い教養
・かぎりない好奇心
・つきることのない熱意
・周囲を巻き込む楽天性
・仕事仲間やチームワークに対する信頼
・すすんでリスクをとろうとする意志
・短期的な利益より長期的な成長を追求する姿勢
・卓越することへのこだわり
・適応力
・共感能力
・自分自身であること
・誠実さ
・ビジョン
本書よりP300~301
さぁ、経営者の皆さん、しっかりと理解して行動しましょう\(◎o◎)/!
あとがき
ウォレン・ベニスの「リーダーになる」、これはリーダーとなる人は必須の本です。
組織を率いる人はしっかりと見て欲しいですねヽ(^。^)ノ