ヤマト福祉財団・小倉昌男の福祉を変える経営

企業の形は目的に応じて様々にあります。

福祉事業とは何なのか、働く人たちにとって何が必要なのでしょうか。

今回の経営のヒントは「2003/10/9 福祉を変える経営~障害者の月給1万円からの脱出  (著)小倉 昌男」です。

福祉事業の根幹にパラダイムシフトを起こす本書を読み解きましょう~\(゜ロ\)(/ロ゜)/

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企業経営は金儲けである

本書はヤマト宅急便の創業者である小倉昌男さんが福祉事業の実態として作業所で働く障がい者の方々の給料(工賃)がいかに安いか、それに伴い福祉事業を運営する方々に「経営」を意識し実践しましょうということが書かれた本です。

企業経営の前提は継続であり、継続するためには利益獲得が最重要課題です。一般企業論を福祉事業に当てはめるという「モノサシ」の尺度を同じものに変えようとすることは中々容易ではないと思います。

なぜかというと、自分たちは福祉をやってきた、二〇年三〇年とやってきた、福祉の事業は尊い仕事だー、という自信があるわけです。それに比べると、企業がやっているのはしょせん金儲けじゃないか。金儲けは汚いことだ。~略~そもそも金儲けが汚い、という発想から脱却してもらわないと、共同作業所の経営改善は絶対にできない。そこで私はまず自分のやってきた仕事について説明をする。そして「金儲け」に関するみんなの偏見を解く。こんな具合です。(本書よりP60)

ヤマト福祉財団を設立した小倉さんは、福祉事業の方々に経営とは何かをセミナー形式で伝えることを事業の一つとしてされていました。

私はまず、日本経済が資本主義のかたちをとって市場経済で動いていることを説明します。お客さんがいて、そのお客さんがほしいモノやサービスを提供できてはじめてビジネスが成立する。そのためには、お客さんがどうしたら買う気を起こすのか、どんなものが好きなのかを調べる必要がある。それがマーケティングです。(本書よりP63)

福祉事業で製作される商品やサービスについてすばらしいことをやっているということか価値があるかどうかすべては市場が決めるということ。

障がい者の給料1か月1万円からどう脱却するか、経営を考えましょうということ。しかし、1万円から脱却するということにどんな意味があるのでしょうか?

それが収入が増えると、本人がいろいろトライしたいと言い出すようになりました。(本書よりP84)

ヤマト福祉財団が運営するスワンベーカリというパン屋さんで働く障がい者の方々の給料で稼ぐ障がい者の方々が変化していることも小倉さんはしっかりと意識されていました。

そんな障がい者の方々にとってみれば、健常者同様、やはり「働くことが幸せ」であり「働くことが生きがい」ではないでしょうか。(本書より85)

人は働くことによってお金を得る、それはやはり多いほうがいい。多くもらえるということは、生活にゆとりや変化を与える選択肢を与えます。幸せを感じながら明日も楽しい職場へ行ける自分の成長もできるし仲間もいるし仕事も楽しい。働くことが生きがいということに心が動きます(*´ω`*)

「福祉的経済」という言葉は存在しない

一般企業と福祉事業に統一的なモノサシとして、日本には資本主義、市場経済しかないという事実。

一般企業も死に物狂いで経営している同じ土俵に福祉事業ものる、ということは難しいかもしれませんが現にしっかりとビジネスをされているスワンベーカリのような企業もたくさんあります。ないわけではない、事実としてあるということで出来ないわけがないと希望を与えてくれます。

そこで必要なのが「経営」という発想です。(本書よりP100)

本書の「第2章 福祉を変える経済学」、「第3章 福祉を変える経営学」を読めば資本主義のシステム、市場経済とは、顧客とは、そして価値を届けるにはどうすればよいのかというマーケティングの重要性が分かります。

経営感覚を取り入れ経営者になるということが求められます。

だからこそ、市場経済において経営とは何か、それは買い手の立場、消費者の立場に立って考え、本当に消費者が欲しいモノやサービスを供給することだ、という認識を強く持ってほしいのです。(本書よりP135)

福祉事業は、「事業」として「価値」を「顧客」へ。

ヤマト運輸の経営者時代から、私は「デメリットがあるからビジネスチャンスがある」と社員たちに説いてきました。ポイントは、デメリットをどう克服すれば利用者に喜んでもらえるのか。デメリットをどうメリットに変えていくのか。それを一生懸命考えることです。(本書よりP129)

ビジネスの根幹は顧客の困りごとをどう解決してあげられるか、ビジネスモデルの構築が重要ですね。

私の信条は、「何でもやればわかる。やらなきゃわからない」です。やらないということは進歩がないということです。(本書よりP131)

これが経営の実践だということ\(゜ロ\)(/ロ゜)/

福祉を変える経営

本書の福祉を変える経営はすべての経営者に通じる経営を知るためのバイブルです\(◎o◎)/!

一般には「いいモノをつくれば売れる」と考えがちですが、実はつくることよりも、売ることのほうがはるかに大事なのです。(本書よりP138)

すべての経営者が理解しないといけないということです。勘違いはダメ\(゜ロ\)(/ロ゜)/

1、製品をつくること~生産力

2、商品をつくること~販売力

3、顧客に喜ばれること~サービス力(本書よりP138)

3つの観点を念頭に置き経営とは何かを理解すること\(゜ロ\)(/ロ゜)/

利益を増やしたいならば、経費削減を考える前に、むしろ収入を増やすべきだと私は思うのです。(本書よりP139)

収入-費用=利益ということを理解することが重要\(◎o◎)/!

つくったものを「製品」と呼びますが、製品は売るためにつくります。~略~つくった「製品」は必ずマーケットで売れる「商品」にしないと意味がないのです。~略~商品というものは、ひとりでに売れるものではなく、売るための努力をしなければなりません。つまり売れる仕組みをつくらなくてはなりません。(本書よりP142~143)

小倉さんは、福祉事業の方々はつくることに一生懸命だが売ることを考えていないという。これは、どんな事業を行う人でもハマる罠。

「いいモノは売れる」ということ。これは生産者側が顧客の心理を理解していない事例です。

では、どうすれば、売れる仕組みがつくれるのでしょうか。そのためにはまず、お客さんが喜ぶサービスはなんだろうか、お客さんが喜ぶ商品の付加価値とはなんだろうか、ということを徹底的に考え抜くことが大切です。(本書よりP146、147)

お客様の困りごと、悩みごとの解決もビジネスでは重要です。このレベルがビジネスをするうえで必要なんですね。

とはいえ、一人で思い悩む必要はありません。たとえば経営についても、コンサルタントなどの外の力を活用することが可能なのです。(本書よりP183)

いろんな人の知見を利用する。一人で何でもやる時代ではありませんね(*´ω`*)

あとがき

本書は事業を行うすべての人が読むべき本にあげたいです。

こういった素晴らしいものを後世に残してくれたことに本当に感謝ですね(´;ω;`)ウゥゥ

小倉昌男経営学という本もあります。ぜひ記事も参考下さい。

参照記事2019/6/21クロネコヤマトの宅急便・小倉昌男経営学 | 岩﨑税理士事務所 (tax-iwasaki.jp)

小倉昌男偉大なり\(゜ロ\)(/ロ゜)/

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