経営戦略の歴史を学ぶ➄

前回から引き続き、経営者・起業家・イノベーターの皆様におくる今回の経営のヒントは「マンガ経営戦略全史確立編 三谷宏治著」です!(#^^#)

かの優秀な先人たちが悩み・苦しみ・研究し編み出した、経営戦略。

それでは、経営戦略の歴史を読み解いていきましょう~!(#^^#)

【前回までの記事】

第1回「経営戦略の歴史を学ぶ➀」

第2回「経営戦略の歴史を学ぶ➁」

第3回「経営戦略の歴史を学ぶ➂」

第4回「経営戦略の歴史を学ぶ➃」

 

 

 

 

 

 

ケイパビリティ派の群雄割拠

キャノンとホンダ

1960年代、キヤノンは普通複写機市場へ参入します。しかしそこには絶対王者の「ゼロックス」が600件の特許と従量課金のレンタル方式の20年は崩せないと言われるビジネスモデルを構築していましたΣ(゚Д゚)

普通紙複写機市場は大きく成長しそうな市場で「儲けられる市場」ではありましたが「儲かる位置取り」が見えず誰も参入しませんでした。(本書よりP150)

しかし!!!1970年、キヤノンは普通紙複写機を88万円という値段で販売します。当時のゼロックスの特許網を掻い潜ってできたのです!!\(◎o◎)/!

ホンダは1959年、自動車ではなくまずはバイクで米国市場に参入。その後に自動車でも参入します。

車ならばフォード・GM・クライスラーの3強、バイクなら大型車を好むハーレー・ダビッドソン。ホンダはその巨大な企業のいる米国市場へ「技術」で挑んたのです!(^^)!

そんなとき米国で「5年以内に排気ガス中の有害成分を10分の1にせよ」というマスキー法が通り、ホンダは世界で最初にマスキー法基準を見事クリアしました!!!\(◎o◎)/!

その後1973年のオイルショックも追い風になりガソリンが高騰しホンダの低燃費で排気ガスの少ない小型車は売れました。

ホンダのスーパーカブは、ハーレーダ・ビッドソンやイギリス車の大型バイク市場しかなかった米国に小型バイク市場を創造しました(#^^#)

BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)の報告書によりその内容が明らかになりました。

ホンダは、「経験曲線」に基づく「コストリーダーシップ戦略」で新しい市場創造に成功しました。(本書よりP156)

この報告書はまさに前回「経営戦略の歴史を学ぶ➃」で詳しく書きました「ポジショニング派」の報告ですΣ(゚Д゚)

しかしホンダ経営陣はそのとき、なんの「戦略」も持っていませんでした。困難がゆえにアメリカ市場に参入し、その場その場なんとか頑張った結果だったのです。マッキンゼーのリチャード・パスカル(1938~)はその研究から、経営戦略における「人間的要素」「計画的より創発的」の重要さを示しました。ポジショニングよりもそういったケイパビリティが大切だと。そして、なんにでも合理的な説明をつけたがる西洋的性癖をパスカルは「ホンダ効果」と呼びました。(本書よりP160)

上記に対してポジショニング派でBCGレポートの共同執筆者であるマイケル・グールドが反論、それに対してミンツバーグが再反論。ポジショニング派とケイパビリティ派の戦いの幕が切って落とされましたΣ(・ω・ノ)ノ!

トム・ピーターズ(1942~)

反ポジショニング的ヒット作「エクセレント・カンパニー」を放ったピーターズたち。

 

 

 

 

 

 

ピーターズらはマッキンゼーのコンサルタントでした。世界中の成功企業の調査をします。そこから見出されたのが「マッキンゼーの7S」ですΣ(・ω・ノ)ノ!

企業の成功「マッキンゼーの7S」

【ハードのS】
➀戦略(Strategy)

➁組織構造(Structure)

➂プロセスや制度(Systems)

【ソフトのS】
➃人材(Staff)

➄スキル(Skills)

➅経営スタイル(Style)

➆共通の価値観(Shared Value)(本書よりP163)

業績抜群の超優良企業43社を7Sで分析したら8つの共通点が見つかりました。

➀行動の重視と迅速な意思決定

➁顧客に密着し、顧客から学ぶ

➂イノベーションのための自主性と起業家精神

➃人による生産性と品質の向上

➄価値観に基づく実践

➅基軸事業から離れない

➆単純な組織・小さい本社

➇自律的現場と集権的共有価値(本書よりP163)

しかし、7Sのフレームワークはマッキンゼーではコンサルティングプロジェクトとして売りづらく冷淡でした。ピーターズらは後にマッキンゼーを離れます(´;ω;`)ウッ…

数年後マッキンゼーを離れたのちはビジネス界の講演にひっきりなしに呼ばれました(#^^#)

エクセレント・カンパニー出版の15年後、「43社中、半分が5年でダメになり、今では5社しか超優良とはいなえい」とのこと。

ケイパビリティだけでも厳しい経営ですねΣ(゚Д゚)

エクセレント・カンパニーのあとには、「ビジョナリー・カンパニー」シリーズのジム・コリンズ、「コア・コンピタンス経営」シリーズのゲイリー・ハメル、「リーダーシップ論」シリーズのジョン・コッターがあとに続きました(#^^#)

あとがき

1970~1980年代は日本企業が海外市場でものすごく活躍した時代でした。ポジショニングでは、経験曲線とそれに伴うコストリーダーシップ戦略、ケイパビリティでは企業能力の高さ経営戦略を紐づくとそれぞれの時代の流行が見えてくるのが分かります。

キヤノンの知財担当の元専務丸島先生のお話しを聞くと当時のゼロックスとのお話しを聞けると改めて戦略も重要ですが、働く人たちのチームワーク、創造開発、熱意そして「やってやる」という思いも源泉になったように感じます(#^^#)

では、次回へ続く~(/・ω・)/

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