出光佐三から学ぶ➁~商売の極意と資本主義~

出光佐三。皆様はご存知でしょうか?戦前から戦後にかけて活躍した出光興産を起こした名経営者。本書の帯の「この巨人の業績を思うと胸が熱くなる」との一言に「ぐぐぐ~!」ときますね\(◎o◎)/!

今回の経営者・起業家・イノベーターの皆様におくる経営のヒントは「評伝 出光佐三 (著)高倉秀二」をどどーんと引き続き読み解きましょう!!!\(◎o◎)/!

 

 

 

 

 

 

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前回の記事
2020/5/25 出光佐三から学ぶ➀~人間尊重と大家族主義~

出光佐三の商売の極意

出光佐三の主義方針をもう一度見てみましょう。

出光商会が創業当初から掲げ実行してきた「主義方針」
「一、人間尊重
一、大家族主義
一、独立自治
一、黄金の奴隷たる勿れ(なかれ)
一、生産者より消費者へ 」(本書よりP196)

出光を語る時に上場はタブーだったと、日本経済新聞の私の履歴書で天坊昭彦は語っている。

出光はずっと個人商店で会社組織を運営していました。

株式会社の設立も、彼のとるところではなかった。〈~略~結局は営利のための経営に傾いていく。また個人経営のような命がけの真剣さもない。~略~さらに、一生懸命働いて得た社員の結晶は、社外の株主の懐に流れ込んでいく。それでは、社員も自発的に働く意欲を失い、賃金奴隷に転落していくほかない。~略~こうして経営も人も、金や物に支配されていってしまう〉〈本書よりP114)

独立自治をまもること、黄金の奴隷たる勿れということ。資本主義経済を真っ向からちがう方向で物事を考えていることに衝撃を受けますΣ(・ω・ノ)ノ!

そして、何より「生産者より消費者へ」とマーケットインの考え方、顧客重視ということがしっかりと主義方針で貫かれていますね(#^^#)

「私の一生は資金繰りの一生である」(本書よりP117)

出光佐三から資本主義を学ぶ

企業経営を通じて出光佐三は学びます。

『資本は人なり』

出光佐三が、悟ったこと。信念をつかんだ。(本書よりP117)

資本主義経済の仕組み、ましてや進化は株式会社の発展である。投資家から資本(お金)を集めて、リスク分散をしながら事業を行うこと。これが貸借対照表の仕組みとして現れる資産や負債、その差額としての株主資本としての概念だ。損益計算書は、事業投資のすえ支出した経費より多くの収入が入った儲けが利益である。この利益は、再度株主資本に戻される。(税金は無視)さらに再投資され利益獲得に事業は大きくなるのである。

出光佐三の貸借対照表の資本=人。損益計算書の利益=価値、人の成長や消費者への還元ということにつながるのかと思いました。なるほど、会計の仕組みが出来上がる・・・・と\(◎o◎)/!

~略~また株式組織は資本主義の最もずるい形態であり、責任分散の方法であり、寄合所帯であります。(本書よりP195)

人の個性を尊重し、人が最大限に働くため、一生懸命の仕組みが株式会社だと責任問題となるという考え方。財務諸表を作成する仕事としてこのような見方は本当にないですね\(◎o◎)/!

出光興産(株)設立

佐三は、海外業務を担当する会社として1939(昭和14)年に中華出光興産(株)と満州出光興産(株)を、翌年に出光興産(株)を設立しました(東京本社)。設立に当たり佐三は、「事業は命までも打ち込んで経営すべきもの」という事業観を示し、株式会社化しても「個人経営の精神を貫く」ことを社員に伝えました。(出光興産株式会社HPより参照

時代は変化しようとも、理念は変わらない、ですねΣ(・ω・ノ)ノ!

2006年の上場の理由は、やはり金融機関からの借入のみの限界、巨額の有利子負債がのちの経営の圧迫、倒産をさけるためにも上場という選択肢にたどり着きました。

そして昭和シェル石油との経営統合。創業家との対立、出光佐三の想いを引き継いだ経営者たちは試行錯誤のすえ新しい出光興産株式会社を創造するのでした。

あとがき

巨人の創り出した会社がいつしか社会の公器となり、インフラとなっていく。高度経済成長とともに日本は豊かになっていきます。しかし、それと同時に心の豊かさや人間尊重・大家族主義という本来の日本人の気質にあったものは失われていったような気がします。アフターコロナで私たち日本人はどのように変化していくのか。「出光佐三」の歴史が多くの示唆を与えてくれますね(#^^#)

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