Sustainable Capitalismから学ぶ新しい世界②

前回の記事「Sustainable Capitalismから学ぶ新しい世界①」で「いい会社」に投資する鎌倉投信という会社をお伝えしました。

今回も引き続き、経営者・起業家・イノベーターの皆様にお届けする今日の経営のヒントは「持続可能な資本主義 新井和宏著」です。

 

 

 

 

 

 

「いい会社」では、見えざる資産が蓄えられ顧客がファンになり、見える資産として数値に現れる。ビジネスにおいても良い循環ですね(#^^#)

投資とリターンの新しい定義

資本主義は「わかっちゃいるけど、やめられない」(本書よりP26)

本書からの文中でのタイトルの一説からです。今でもそうですが、既存のシステムで生きてきた私たちは、「Sustainable Capitalism」本書「持続可能な資本主義」から何を学ぶべきでしょうか???

私自身も、格差や貧困を拡大し国民を分断するような資本主義は明らかにおかしいと思います。ただ、だからといって「資本主義は捨て去るべき」とは考えません。資本主義にまずい点があるなら、それをできるだけ明らかにして、具体的に改善するほうが建設的だからです。(本書よりP27、28)

投資銀行にいた新井氏は「リターン=お金」ということが前提で、当時所属していた外資系の運用会社は顧客から200兆円を運用していました。その会社で運用する一人として新井氏がいたんですね、すっげ・・(゚Д゚;)

市場では高度な金融工学の発達それに伴うサブプライムローン債権等をもとにおこったリーマン・ショック、その後の金融不安と続きます。

その後、体調を崩した新井氏は「いい会社」が出てくる「日本でいちばん大切にしたい会社 坂本光司著」という本に出会います。

 

 

 

 

 

 

 

障がい者雇用の日本理化学工業や、年輪経営の伊那食品工業の記載があり、この本を読んで今までの根底が変わったそうです(#^.^#)

いったい、何が間違っていたのか。そう考えたとき、資本主義の本質的な問題である「分断の構造」に思い至りました。
リーマン・ショックでお金の出し手と受け手が分断されてしまっていたのは、効率を無限に高めようとしたからです。ではなぜ、金融は無限に効率を追求しないといけなかったのでしょうか?それは、いまの資本主義においては「リターン=お金」と定義されているからです。お金をリターンと考える限り、ゴールは無限となり、どこまでも効率に稼ぐ方法を探さなければならなくなってしまう。この根本的な問題を解消しない限り、あるべき金融を実現することはできない。そう考えた結果、2008年11月に生まれた鎌倉投信は、金融の世界でありえないリターンの定義を提示するに至ったのです。(本書よりP37)

そして、提示された鎌倉投信のリターンの定義

リターン=資産の形成×社会の形成×心の形成(本書よりP38)

私たちの、「既存の概念」を打破するためには、見かたをかえることがとても大事です(#^^#)

システムに慣れてしまったらそのシステムは、私たちの思考から外れ裏側でずっと走っていきます。何らかのきっかけでシステムが見えるときに矛盾を感じます。この矛盾こそが、本質に近づく一歩だと思います(/・ω・)/

自分が投じたお金が、「いい会社」を通じて社会の役に立っている。そして「いい会社」が成長し、社会が豊かになれば、受益者の心も豊かになる。これが「社会の形成」「心の形成」の意味するところです(本書よりP39)

「社会と心」が大きなポイントです。投資において、リターン=お金が、リターン=お金+社会+心・・・短期にとらわれずに長期でものごとを考える視点に感慨深いです(#^^#)

私たちが、今までに学んだ資本主義のシステムを少し手放していくことで受け入れる土壌を整えたいですね。

会計が与えた影響

会計では、貸借対照表(BS)は一定時点の「ストック」を表し、損益計算書(PL)は一定期間の「フロー」を表します。

経営活動は、フローを最大限にしストックを増加させ株式の価値を大きくします。フローを稼げば稼ぐほどストックが大きくなります。

しかしそのフローを稼ぐということが、今までの営利追求・儲け主義に陥ってしまいます(一一")

経営指標にROE(自己資本利益率)があります。

ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

株主の立場からみると自己資本利益率が高い会社は「自分が投資したお金を使って効率よく稼いでいる会社」であると見ることができます。逆に、自己資本利益率が低い会社は「経営効率の悪い会社」である判断され、投資家からのお金も集まりにくくなります。

ROEというフローの基準だけですべてを測ろうとすると、どこかで歪みが生じてしまうのです。(本書よりP46 )

~略~だから、私たちは「フロー重視の資本主義」から「ストック重視の資本主義」への移行を実現させなければいけないのです。フローでの評価をやめないかぎり、「資産の形成」と「社会の形成」を両立させることはできないのですから。(本書よりP47)

いい会社へ投資をする

鎌倉投信が投資をする「いい会社」の定義は難しいようです。標準化や数値化も考えたようです。リッツ・カールトン・ホテルの元日本支社長、高野さんにホスピタリティは標準化するとただのサービスになると聞きました。

もし指標をつくって画一化しようすれば、企業は指標を満たそうとするあまり個性を失い、社会から多様性が失われてします。(本書よりP50 )
そう考えると、やるべきとはシンプルです。定量化できないからこそ、現場に出向き、この目で見る。経営者や社員の方と、顏を突き合わせて話をする。資料に並んだ数字ではなく、「数字に置き換えられないもの」を感じ取る。(本書よりP51)

鎌倉投信は、「生」の情報を大事にされています。顔を知っている、知らないでは接し方・信頼が違います。

また鎌倉投信は、銀行や証券会社の窓口は経由せずに、直接販売のみです。これも直接つながるということで安心感があります。

商品「結い2101」の内容(鎌倉投信のHPより抜粋)

これからの社会に必要とされ、顧客や消費者、社員とその家族、取引先、地域、自然・環境、株主などを大切にし、持続的で豊かな社会を醸成できる会社に投資をして行きます。さらに、
人:人財を活かせる会社
共生:循環型社会を創造する会社
匠:日本の匠な技術・感動的なサービスを提供する会社
この3つの要素を重視します。

鎌倉投信では、予測することをやめたとのこと!Σ(・ω・ノ)ノ!

株価の変動は、あまりにも多くの不確実要素があるため予測があてはまらないこともあります。

投資先の「いい会社」とは信頼があり、相場の上下を利用して毎日こまめに売り買いすれば少しずつ利益はでる。そして、社会から必要とされる「いい会社」は、見えざる資産が増加して価値が上がるという、まったくもって納得です(#^^#)

鎌倉投信は投資先を信じます。(本書よりP62)

まさにこの一言です。感動(´;ω;`)ウゥゥ

あとがき

今回は、投資と資本のことについて新しい側面を学びました。

そして、見える資産の価値を表現した会計についても限界を感じました。

ただし、会計での価値表現の限界を、現場にいって話を聞く、見る、話すということが大事だということも分かりました。

投資や資本や会計や社会性や心といった様々なものが絡み合っていところにイノベーションがあるような気がします。

では、続きは次回へ~(#^^#)

 

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